───十 牛 図───E 松原哲明
きぎゅうきか
騎牛帰家
(牛に騎って家に帰る=本分を手に入れて、わが家に戻る)
牛も人も一つになって、ゆらりゆらりと家に帰ろう
横笛を吹けば、夕日が村に射している
一つ一つの手拍子がたのしい
さとったもの同士は心が通じているから言葉はいらない。
仏心・仏性を牛に喩えています。
禅には、向上と向下とがあります。
向上は、坐禅修行して、仏心・仏性に気がつくことを云います。自分の体験で、しかもそれで良いのか確かめた事がないのですが、昨年の四月、青空に一点のキズもないほど晴れ上がった午前、境内のサクラを眺めていましたら、なんとすべてのサクラの花びらの中心がキラキラ輝いているではありませんか。仏心とは光の滴のようなものでした。
〔人は錯覚というでしょうが、こちらは本気。〕
もう一つは向下。これは光の滴を見た人が見たことのない人にわかりやすく説明することを云います。
私みたいに、今まで見たことがないような、光の滴を見たら横笛でも吹きながら家に帰りますよ。
お前さん、そこまでよく頑張ったねと、あるいは自分で自分をほめている、自分の手拍子が聞こえるのかな。〔雀躍というところ〕。
そういえば、自分でも頑張ったと思うんですが、僧堂を出て以来、ずっと『碧巌録』『無門関』『臨済録』を読み続けてきました。文字では分からない禅も、四十五年も継続読書すれば門は開けられ、鍵ががちゃりと音を立ててはずれることもあるんですな。
私の体験は眉唾もの。ニセ者ですが、祖師方がこんな経験をした弟子をもったらほめまくりますか。いや、分かったもの同士、ほめ言葉はいらないと。
春のおひがん法要
3月21日(春分の日)午前11時から行いますので、
ご来山下さいますよう、ご案内申しあげます。
| ○ご詠歌と読経 |
|
| ○法話 |
松原哲明 |
| ○齋座 |
(おとき) |
お車での来寺には、駐車場の余裕はありません。
龍源寺へは
都バス
(リンクをクイックして下さい。バスの停留所の写真・案内があります。
)
@都バス 田87 渋谷駅−田町駅
魚ラン坂下下車
A都バス 都06 渋谷駅−新橋駅
古川橋下車
B都バス 品97 品川駅−新宿駅西口
魚ラン坂下・
古川橋下車
C都バス 反96甲 品川駅−赤羽橋駅−五反田駅
魚ラン坂下・
古川橋下車
D都バス 反97乙 五反田駅−赤羽橋駅(循環)
魚ラン坂下下車
E都バス 東98 東京駅丸の内南口ー目黒駅
魚ラン坂下下車
地下鉄
(リンクをクイックして下さい。地下鉄の駅の写真・案内があります。
)
@地下鉄 三田線、南北線、
白金高輪駅下車、5分
A地下鉄 大江戸線、麻布十番駅で南北線乗り換え、
白金高輪駅下車、5分

[たらちねの生まれぬ前(さき)の月明かり]は、中川宋淵老師の句。[たらちねの生まれぬ前の]でもって父母未生以前の、本来の風光、月明かりであることがわかりますね。
[鏡(きょう)清(せい)雨滴声]の公案があります。[そとで音がするが、あれはなんじゃ][はい。雨だれの音です。]そこで問題が[虚堂(きょどう)雨滴声]。
虚堂は、人がいない堂。人が居れば眼・耳があって[雨滴声]と理解できますが、眼・耳が無い。どうして雨滴声といえるのかと。
虚堂には、眼耳鼻舌身意が無い。これ般若心経の[無眼耳鼻舌身意]。つまり生まれていない状態=父母未生以前であり、それが本来の風光、本来の面目であります。それを空とか無っていうんですよ。
松尾芭蕉の[古池やかわずとびこむみずの音]が根本寺の仏頂和尚に禅だと褒められました。
[古池]。これは父母未生以前から存在します。そこにかえるがボチャン。本来の風光、面目、つまり空ですな。
そういう方程式で一句。
古寺桜 無眼耳鼻舌身意 輝ける
こんなこと[禅の会]で話しています。
のぞきに来て下さい。
総代の中沢家(豊前屋庭石店)が、父・栄三殿、母・篤殿の追善として、お寺の環境を美しく整えてくださいました。有難うございました。
有り難く幸せに思っています。
紙面を借りまして御礼を申し上げますと共に、皆様へご報告させていただきます。
花園流ご詠歌・龍源寺支部発足
2月から毎月第2・第4土曜日の午後13時30分よりご本堂でお稽古しております。
また、毎月18日の観音さまの日、午前10時・13時30分の2回練習しています。
指導は松原幸恵です。
教 室:月・2回
1回目(第2土曜日、13時30分から)
2回目(第4土曜日、13時30分から)
有志練習(毎月18日の観音講、10時か
ら。または13時30分から)
会 費:1回・1500円
申込み:随時(電話などでどうぞ)
坐禅と法話の〔禅の会〕も希望者が増え続けて1回ではこなしきれず、2回としました。
●毎月第一土曜日
*午前10時から12時。
坐禅と法話〔般若心経〕・会費200円。
*午後13時30分から15時30分。
坐禅と法話〔証道歌〕
会費200円。
泰道の欄 松原泰道
○歳が変わっても私の日常は同じです
○読む(読経・読む)、書く(原稿・色紙)、話す(法話)を細々と務めています
○視力も気力もすっかり低下
○「僅かでも聞こえ、見える限り学を排すべからず」との佐藤一斎の声が聞こえて来るようで
○また、机に向かいます稲盛和夫さんと五木寛之さんの対談『何のために生きるのか』(致知)のご一読を
○読書をしないと思索もできない○読書しないのが諸悪の根源
○一日一ページの読書を進言
○孫の茂樹と良樹の両副住職が私の百寿を祝して、私の修行道場の恩師・浜村精道老師の、全幅の「寿」字の墨跡を尋ね当てて軸物に表装してプレゼントしてくれました。うれしいですね
○家内の静子は脳梗塞再発で入院。退院しましたが、言語障害で会話不能。止むなし
○私も行動不自由、孫嫁の幸恵が私のヘルパー
○春彼岸さとりの種をまく日かな
○彼岸の七日間は仏教徒にあっては修行の週間です。
○たとえ僅かでも自分を向上させるために、世間のお役に立つことをしましょう
○私は身体で何もできないので、せめて良い原稿を書いて、皆さんのお心を安らかにしたいと、原稿用紙の枡目を埋めていきます
○ワープロを扱えない旧時代の人間です
○暖かいのも時にとっては不順の気候になります
○くれぐれもお大切に。
柳緑花紅
▼あたたかな冬でした。二本松の青年海外協力隊の講演に出かけたおりのこと。毎年冬のこの時期は阿多々良山の麓は雪雪なのに、黒い土。農家の人が「今年の夏は、ひどい水不足になる」と話していました。お寺の庭も今から水対策です
▼雨が降るとまっすぐに下水溝に流れ込むように工事しているのはいかがか。水も漏らさぬようにしないと植木たちがかわいそう。でも植木屋さんも一日の手間では完璧にはやれません。かと言って本格的にやったらお金を蒔くようなこと。早く普通のごく当たり前のお天気になってもらいたいですね
▼水も漏らさないように充分注意を払っていたのですが、お正月が過ぎた朝、91才の母の様子がおかしい。ヘルパーさんが車椅子で洗面させた時に急変、すぐに救急車で入院。意識はなし
▼反応もなし。もう家に帰れないのかもしれない、と言う声もありました。が、なんと云うことか。頭じゅうの脳梗塞が、薬によって再々開通し、流動食もとれるようになりました。話すことは全くできません。でも、家内には大きな反応を見せ、近々中に家に帰ることになりそうです。
▼あと3日で中国取材。留守中は新命夫妻にゆだねて4日ほど仏法のため、禅のため、でかけてきます。こんなことで取材を取りやめたら叱る母ですから
▼2月11日に母が約1ケ月ぶりに退院しました。やっぱり自分の家に帰りますと、病院にいた時と違って表情に明るさが戻りました。入院で寝たままでしたから、足が弱くなり、これからは寝たままになりそう。食事は車椅子で。あと一週間したら入浴許可。医学の進歩ってすごいですね。ところで、言葉が発せられないので、お見舞いはご勘弁下さい。他人が部屋に入りますと極端にはにかみますので、お許しの程を
▼母入院と同じ時期に、樹々も緊急入院。こちらは重病で、心筋梗塞とか。が、これまた再々退院しました。寺報校了の26日朝6時前に、彼は私たちの部屋に入り、枕頭にはい上り、苦しそう。どうにもしてやれず6時に台所の私の席下で死にました。10才。とってもいい子でした。ものすごく悲しい
▼副住職・茂樹も入院手術。めでたさも中ぐらいなりおらが春は一茶。早稲田ラグビー大学選手権惜敗。箱根駅伝もダメ。どいつもこいつも春から縁起が悪いねえ、あたりの今春です。みなさまにおかれましても重々御身御大切に
▼講演先のホテルのベッドで起きあがろうとした時に左胸の肋骨に激痛が走りました。3、4日たっても痛むので、整形外科でレントゲンを撮ってもらいましたら、なんとなんと骨折しているらしいとの診断
▼「本当ですか。3日後に中国に行くんですが」「骨折とみてよいでしょう。中国、中止出来ませんか」「無理です」「息苦しくなったり、呼吸困難になったりしたら、中国の病院でみてもらってください」ですって
▼きっと加齢からくるんでしょうか。ちょっとしたことからでも、壊れちゃう。しかし、この間もこの病院で怪我の診察をしてもらった時、捻挫と診断され「中国?だめダメ」と言われたけれど、もちろん今回も黙って行きましょう
▼今までもそうでしたが、僅かなことで人生の計画を自らキャンセルしていては、全部がとり残されてしまいます。そうじゃありませんか。何回もキャンセルの危機がありましたが、強行して自分が成り立っている。そう思い込んでいます
▼私もいつの間にか67才になりました。足腰がずいぶん弱ってきましたし、お酒もずいぶん量が少なくなってきました。その分、夜は早寝、朝は早起きで、夜行して遊ぶことは全くありません
▼その分、何をしてるのか。時間があれば、禅の古典を読んでいます。実は、これがたまらなく面白い。今までちんぷんかんぷんだったのが45年も読み続けると、論語じゃないけれど、意おのずから通じちゃう
▼全く歯がたたなかったのに、次々と分かるんだなあ。もしも理解できないと、その夜にその問題・公案の夢を見るんです。そして夢の中で解答が見つかる。
▼碧巌録・臨済録・無門関・証道歌・信心銘などですが。勉強は嘘をつかない。読んだら読んだだけ理解できるようになってるんですな。もっと早く気がついておれば。
▼今度の中国旅行にも持参して、雲門禅師の公案は雲門寺でじっくり考えて来ようと思っております
▼まもなく春のお彼岸法要です。ご家族そろってお出かけ下さい。(哲明)