菩提達磨(中国禅の初祖) 松原哲明
菩提達磨(?〜五二八)は伝承では中国禅の開祖とされますが、大変謎の多い人物とされます。南インドの出身といわれます(バラモン出身)。
達磨が七才の時に、父王が帰依する般若多羅尊者が王城に来て説法します。その時に大変感激した父王は立派な玉を般若多羅尊者に献上します。そこで彼は三人の王子に、この玉をどう思うかときくと、長兄たちは、
「我が国で二つとない玉です」と答えますが、末っ子の菩提達磨は、
「本当の宝は人間の生命であり、その中でも心が一番尊いんです」
と答えたと言われ、般若多羅尊も大いに驚いたと伝わっております。
達磨は五二〇年頃(異説が多い)南天竺から海路中国に入り、北方の魏に向かい、各地で禅を教え、洛陽東方の嵩山・少林寺で壁に向かう面壁坐禅をし、心の本来清浄である理を悟って中国禅の初祖となります。
さて、禅のポイントは
@心が、根源であると知る。
A次に、心を丹田呼吸でもって養う。
Bすると、平常心が生れる。
Cそれは、ありのまま、そのままの心であり、澄んだ鏡のように、物静で落着いた
清浄心であり、その心が仏心である。
もしも自分が仏になろうとするならば、偶像崇拝でいくら仏に祈ってもなり得ません。仏は本来清浄心。よって自分の心を坐禅により仏と同じ本来清浄であるのを心眼で見れば、そのまま仏。自分の本性を坐禅により心眼で見るのが見性、そして頓に仏と気づく。それが「見性成仏」です。
『碧厳録』に梁の武帝が達磨に、一番大切なのはどう言うものかとたずねたら達磨は「廊然無聖」(かくねんむしょう)と応じました。一番大切な人間の心は、秋空のように雲一つない清浄だぞ、と。
