中国の長安の都から、およそ150キロほどのところに、玉華宮址があります。詳しくは銅川市玉華村の北方2キロの玉華山にあります。ここは、唐代の太宗(在位。626〜649)が、玄奘三蔵法師に訳経にあたらされたとこであり、また、玄奘が六十二年の生涯を終えた地でもあります。
私は一九七九年二月から玄奘三蔵法師の中国とインド往復の仏典を持ち帰ったルートを追跡しておりますが、終焉の地はかつて一度も訪ねたことがありせん。
今年2月に、長安を訪ねた折に、どうしても玉華宮址に立ちたく、単身たずねました。玄奘記念堂のすぐ裏山に王華寺の跡があり、急坂をのぼると、目前に大伽藍あとが広がっておりました。
玄奘あと追いの旅は、アフガニスタン全土とカシミール、チベット、ヒラヤマ山中、それにパキスタンの一部などを残すのみとなりました。
このたび玉華寺跡に立ったとき「よう、ここまで来たな!」との玄奘法師の声が間こえたような気がしました。